目のまど

手話で聴く心の支援「目のまど」店主。手話通訳士。臨床心理士。聞こえない・聞こえにくい人と手話にまつわるいろんなことをしています。

筑後市図書館ボードゲームイベント

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今日は、筑後市図書館の開館7周年記念イベント「図書館でボードゲーム」にボランティアとして参加しました。

10時から16時半までの時間内に170名もの方が遊びに来てくださって大盛況。私のルール説明がグダグダだったのは今後の課題として、知らないゲームをたくさん体験できたし、キャプテンリノの巨大版もできたし、私自身もたっぷり楽しみました。


午後、事前にお声かけしていた聞こえない子のご家族が、2家族8名遊びに来てくれました。入口で恥ずかしそうにもじもじする子どもたちを見て、はじめは「今日は雰囲気に慣れてくれれば…」くらいのつもりでいました。もちろん私が進行して、2家族だけで、やったことのあるゲームを…と。

ところが、思いがけない展開に。

私がちょっと席を外して戻ってくると、それぞれ別のボランティアスタッフからルール説明を受けて、別のゲームをしています。席には、聞こえる子も聞こえない子もいます。

スタッフの皆さんの対応も実にスマート。特別扱いするでもなく、ただ「小さい子が遊びに来た」という感じで丁寧に説明してくださっていました。

ヒューゴ、ドブル、BONK…子どもたちは次々に遊んでいきます。魅力的なゲームたちを目の前にした子どもたちにとって、聞こえるか聞こえないかは、大した問題ではないように見えました。ワード系のゲームは難しいと思っていたのに、私の通訳を介して、ワードスナイパーも楽しみました。

以前から「ボードゲームは聞こえない子と聞こえる子をつなぐ架け橋になる」と感じていましたが、実際にそれを目の当たりにして、密かに感激していました。

子どもたちのポテンシャルを大いに感じたとともに、自分が子どもたちのことを低く見積もりすぎていたのではないか、と自戒しました。


私には、ボードゲームに関して2つの夢があります。

1つ目は、聞こえない子たちが、一般のボードゲーム会にふつうに参加するようになることです。

これは、今日叶いました。

2つ目は、聞こえない青年が、一人でボードゲームバーの扉を開け、ポケットからカードゲーム(私の妄想の中では「アルティメットカウントゲーム」)を取り出し、アイコンタクトとジェスチャーだけで、その場で出会ったばかりの客と遊ぶことです。

今日、図書館に来た子どもたちが、もしかしたら20年後…期待が膨らみます。

聞こえる子どもたちにとって、聞こえない子どもが、「社会の時間に習う聴覚障害者」ではなく「よくゲーム会で会うあの子」になる…。「お手伝いしてあげないといけない子」ではなく「ボードゲームで勝ったり負けたりするあいつ」になる…。そんな未来を思い描いて、今年も元気に活動していこうと、改めて思った一日でした。