目のまど

手話で聴く心の支援「目のまど」店主。手話通訳士。臨床心理士。聞こえない・聞こえにくい人と手話にまつわるいろんなことをしています。

本:手話コミュニケーションと聴覚障害児教育

聞こえない子どもたちに関わる方たちに

おすすめしている本が2冊あります。

1冊目は、齋藤陽道さんの『声めぐり』。

https://menomado.hatenadiary.com/entry/2018/11/19/100533

2冊目が本書です。

f:id:iryomico:20181230193553j:plain

これは、全国手話通訳問題研究会(全通研)という団体の研修の講義録。このシリーズはどれも読みやすく、聴覚障害者にまつわる諸問題を広く学ぶことができますが、特に本書の第2章「聴覚障害児教育から考える人権」という講演録はおすすめです。


演者の若狭妙子さんは、私と同じ臨床心理士で、

聞こえない人たちへの心の支援を行なっている仲間です。

若狭さん自身も軽度難聴者であり、

大学に入るまで手話を知らずに育ちました。

本書では、彼女自身の難聴体験、手話への思い、

そして、心理士として聞こえない人たちと

関わってこられた経験について語っています。


聞こえる人は、難聴やろうを追体験できません。

耳栓をしても、自分の声は聞こえるからです。

だからこそ、『声めぐり』や本書のような、

難聴について本人から語られている本は貴重です。

聞こえない子どもたちへの理解の第一歩として、

ぜひこの2冊をおすすめします。


Amazonでも購入できますが、

在庫は不安定なようです。

全通研のサイトからも購入できます。

http://zentsuken.shop-pro.jp/?pid=26783485